2009-09-01

リチウムの起源(ビッグバンの初期に作られる)

リチウムは陽子3個、中性子4個に、電子3個を持った元素である。
ビックバン理論によれば、核子はビックバン後宇宙の温度が約200MeV(約2兆K)まで冷えたところで、クォークグルーオンプラズマから生成される。ビッグバンから1秒後、陽子と中性子から出来た重水素原子核の核融合が始まる。3分後、重水素原子核融合により大半のヘリウムと、わずかなリチウム、ベリリウムの原子核が合成され終了し、宇宙はプラズマ状態となる。10万年後 温度が下がり、陽子が電磁気力によって電子を捕らえ、水素やヘリウムの「原子」が誕生する。電子に遮られていた光が通るようになり、宇宙が晴れ渡る。このようにビッグバンの初期に陽子と中性子からはじまり、リチウム7とベリリウム7までの原子核が生成される。中性水素(1H)とヘリウム4(4H)は安定であるので、この2つの核種が多く蓄積する。この最初の原子核合成は、ビックバン原子核合成と呼ばれる。

炭素や酸素といった元素の原子核合成は、ビッグバンの後期に作られた恒星での核融合や核分裂により生じる。100万年後ヘリウムより重い安定核種が恒星の中で作られる。太陽の様な普通の質量を持った恒星のなかでは、まず、水素が核融合してヘリウム4が生成される。ヘリウム4が2つ集まるとベリリウム8が合成され。8の核種は不安定であり、すぐに崩壊してしまう。しかし、恒星内部にヘリウム4が蓄積され、十分大きな密度と温度になると、ベリリウム8が崩壊するまでのわずかな間にヘリウム4が融合して炭素12が合成される。この炭素12は安定である。炭素12とヘリウム4の融合は酸素16を、酸素16同士の融合はケイ素28とヘリウム4を合成する。このように炭素12の合成により、その後の核反応プロセスが続いていくことが可能になる。恒星の内部ではこの先も幾つかの過程を経て鉄までの軽い核種合成が可能である。鉄56とケイ素28は全核種の中で最も安定な核種であり、多く存在する。普通の大きさの恒星ではこれ以上に重い核種は合成されない。

式で書くほうが分かりやすい。
He4 + He4 → Be8 :ベリリウム8を作る
Be8 + He4 → C12 :炭素8を作る
C12 + He4 → O16 :酸素16を作る
O16 + He4 → Ne20 :ネオン20を作る
等など

太陽よりも巨大な質量を持った恒星は赤色巨星となる。巨大な恒星がその寿命を終える時、超新星爆発を起こす。恒星の中心部がすさまじい重力を支えきれずにつぶれて原子核同士が接触するほどになり、多くの核反応が起こる。金79やウラン238以上の重い核種までを一度に大量に合成する。生成された重い核種の多くは不安定で、すぐに崩壊して鉄56などの安定な軽い核種へと移行する。ビスマス209 の様な長寿命元素は現在でも地球に存在している。ウラン238より重い原子核の寿命は地球の年齢約46億年よりかなり短いため、現在の地球には存在しない。