2009-08-03

樹研工業 松浦社長のお話3


自己資本比率が高くなり、固定比率が低くなり、固定長期適合率がきちっと100%以下になると何が起きるかというと、流動比率がめちゃくちゃ良くなります。会計学の本には200%あるいは250%以上にしなさいと書いてあります。実際、自己資本比率が50%位で固定適合率が100%以下とすると、流動比率が500%、600%にもなります。つまり資金繰りが全くいらない会社になってしまう。こうなりますと、また、事業の合理化ができるのです。私どもの会社は、社員が全部で100名、売り上げが調子の良い時で30億円、その企業に経理が一人しかいない。殆ど仕事が無い、あいつが深刻な顔をしていると会社が悪いぞと冗談を言っている。資金繰りは全くしていません。ただ貸借対照表を見るだけ、対照表をみて流動比率が良くなっているのか、悪くなっているのか見るだけです。実際に売り上げ50%ですが、製造部門だけ正確に計算すると、キャッシュフローは悪くなかったです。こういう体質を景気の良いときに作っておきますと、不況のときにじっくり色々なことをやれます。何故、じっくりやれるかというとお客様に対処する時間が少なくなるので、皆時間ができる。新しい技術を開発したり、新しい機械を開発したりできる。松下幸之助さんの「不況もまた良し」はこういうことです。これをやれるためには、難しいが普段やっておかなくてはならない。今度の不況のとき、自分の企業がこんなに丈夫だったかとあらためて確認しています。3年ほど前ちょっと先行き暗くなったときに、2週間位眠られない夜をすごしましたが、なんだあの時寝たってよかったんだ、惜しいことをしたと今頃思っています。

今も経理とは今後どうしていこうかとそのような話をするのです。

ひとつは、自分の会社の製造メーカーであると減価償却費がどれくらいありかが合理化の目安です。もうひとつ合理化の目安は、総資産の中で固定資産がどれくらいあるかでです。土地を買うと増えてしまうのであるが、流動資産と固定資産が50,50くらいが良いのではないかと思っています。このことは本には書かれていません。しかし、調べてみると絶好調時のソニー、マツシタがそうでした。だから私もそのへんがいいじゃないかと思っています。

このへんも、貸借対照表の持っている意味をじっくり理解すると、経営というものが割合見えてくる。

経営管理士とか税理士の先生と相談すると、経営計画をたてなさいという。その経営計画が大体100人が100人損益計算書でたてるのです。売り上げ予定を決めて、原価決めて、人件費をどうするだとか、支払い金利がどうだとか計算するわけであるが、あんなの書いても意味が無いね。売り上げが落ちたら終わりでしょ。

私は損益計算書はいっさいたてておりません。全部貸借対照表でやっています。今年の決算書、そこで自分の財務内容をどうするかを決めるのです。たとえば、分かりやすく言うと来年の決算期には定期預金をもう1,000万円増やそうときめたら予定の貸借対照表に定期預金の欄に1,000万と書く。その1,000万を何処から持ってくるか決める。たとえば、借り入れ、手形の割引、または売掛金の回収を早くすることでもできる。全部自分の意思でできる。難しいのはやめればいいわけである。あくまでも自分の意思でやれる。

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