2009-08-03
樹研工業 松浦社長のお話2
日本の大手の企業、ずいぶんたとえばソニーだとか、自動車関連企業が派遣社員の首を切ったが、あれは企業の設備が遅れているからなのです。つまり人海戦術、そういう人海戦術の産業は日本から多分直に消えるだろうと思う。私たちの主要のお客さんである、家電・弱電は日本から無くなるであろうと10年前から言っているわけです。順番になくなっている。ビデオが無くなり、テレビが無くなった。今、携帯を日本で組んでいるが、これもそのうち無くなる。組み立てで残るのは、国内で使う自動車くらいのもの、あとは殆ど外国で作るようになる。そうしないと人件費の高い国では、売り上げの上下があるとやっていけない。しかし、そういう時にやっていける体制を組むのがやはり自己資本の高さである。自己資本は貸借対照表の構造をしっかりと理解することが大事である
自己資本は、貸借対照表の一番下の部分の話であるが、今度は自己資本と固定資産との比率、つまり固定比率が100%以下が理想である。つまり自分のお金で全てまかなう。どうしてもまかないきれないときは、社債、それから長期借入金なんとかそういうものでまかなう、長期適合率が100%以下が財務の基本だと思います。
それからあまりそれにとらわれてけちけちして、合理化投資をしないと、こういう不況のとき売り上げが下がると赤字になります。キャッシュがあるのにキャッシュフローが悪くなります。つまり人件費がかかるようになる。投資をして合理化しておかなければなりません。
樹研工業は徹底的に合理化している。だから売り上げが半分になっても黒字である。金型の会社、これはどんな設備持っていても全部人海戦術である。人間が設計している。刃物をつけて削っている、もちろん機械は自動的に動くが全部人間が介在している。ここは売り上げが半分になると大赤字です。それからもうひとつは、機械を作っている会社、樹研マシンワークスは、8人で機械設計、電機設計、油圧の設計、周辺機器の設計、それから組み立て、部品そのものは外注。でも収入は殆どありません。したがって8人分の給料は全部抱えている訳です。
部品を量産している工場はやりやすい。見ていますと、たとえば切削刃物を作っているOSGや、富士精工その売り上げは200億円であるが、OSGは既製品の刃物であるから相当合理化ができている。駐車場を覗くと車が無く休みを取っているのがわかる。しかし、仕事がなくなっても儲けが出ている。
ところが合理化できない、ひとつひとつ特殊な刃物を作っている会社、こういう会社は調子が良いときは良いが、ストンと仕事が無くなるとモロに悪くなる。どっちを自分の会社にするかということは景気の良いときにじっくり考えとく必要がある。難しい問題である。これから経済の波は増えると思う。ですから、自分の企業の体質をどうしておくかということは調子の良いときにきちっと準備をしておく。いいときに攻めるばかりでなく、いいときにしっかり守る、守るこそ最強の攻めである。
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