2009-08-03
樹研工業 松浦社長のお話4
借入金を来年は減そう、じゃあどうたって減らすんだ、預金を崩して減らすのもあり、売掛金をはやく回収して減らす、在庫を減らして減らすこともでき、利益を上げて減らすこともできる、色々あります。全部自分の意思でできる。
損益計算書は自分の意思が入らないのです。根本的なところで。いくら計画が良くても、ちょっと景気が悪くなるとすぐ下がってしまう。必ず儲ける計画しか作らない、損した計画を作れば作り直せと言われるだけ。
ものは試しで、貸借対照表でやると良くお分かりになると思う。
来期どうするのか、あるいは売掛金を減らす、じゃそのためにどうしたらよいかあるいは、自分の都合の良い項目から計画を立てられる。そのために無理をして実行しなくても良い。貸借対照表が頭にはいっていれば毎月毎月練れるんです。それが入ってないと先行き見えないんです。それが私が企業の財務戦略の中で一番大事なことだと思います。
それから社長さんがたが高い給料を取って、うっかり貸付金などという名目で会社に預けると税務署にすぐやられますからね。どういうふうやられるかというと、どっちみち自分の会社だったら金利とらないでしょう。貸付金で金利を取ってすぐまた寄付した、こんな風にとられるとたまったものではない。だから株主預かり金というへんな項目にするのです。変な話ですが、仕分けの書きかたひとつで、どうにもなるんですから。その位会社から金利を取るなんていっさいしない。ましてや会社に借入金があるなんてもっての他である。中小企業で。本当に多いのであるが。これは避けるべくだと思っています。それから同じように、奥さんだとかもできるだけ給料を取って、会社に預けておく、生活費をぎりぎりに減らして、自己資本を増やしていく心がけが大事なんです。
けれども、問題があるんです。相続税がある。相続税を考えると別の話になります。相続税を逃れたかったら会社を赤字にしておくことですね。自社株の評価がめちゃくちゃですから、日本の場合は。なんとか近いうちに新聞のコラムにも書こうかと思って一生懸命構想を練っています。日本の相続税はめちゃくちゃですからね。
事のついでに申し上げると、法人税はめちゃくちゃ日本が高いのです。このままいくと日本から特に製造業は無くなると思います。それが運命です。国が一生懸命会社をつぶしているんですから。相続税で中小企業をつぶしてますね。誰がいじめているかと言えば本当に財務省がいじめているのです。もう2,3年竹中さんにやって欲しいなと思っているのは竹中さんが法人税を下げると言っていたから。そこまで行かれる前に首になってしまったから惜しいことをしました。
ちなみにヨーロッパ諸国は、30%、オランダが実効税率で25.5%、アイスランドが12.5%、この連中と競争するんですよ。はじめっからハンディがある。ですから日本の製造業の国際地位がどんどん下がっている。下がるたび学者や政府の関係者が、ものづくり日本、ものづくり日本という、何をものづくりか。皆自分からでているのではないかと。こういうことですね。アメリカは第製造業が皆破綻している。あれも法人税の問題があると思う。あそこは特にビッグスリーはUAWというとんでもない組織があって誰が経営しているのか、誰のためにやるのか、退社した連中は年金でむちゃくちゃ金を持っていくし。法人税も日本より1%誓う高い、43%である。ただし、アメリカの場合は他の事情もあります。人口が増えていますから。だから、ようするに経済が成長しているんです。
今月の朝日新聞のコラムに、アメリカの経済は簡単に復活するよとででます。最近急に住宅が復興したとか、株があがったとか言っています。しかし、原稿を送ったときは、まだドン底だった。もうすこし早く載せてくれればおもしろかったのにねえ。明日かあさっての新聞に載ると思うが、なんだこの人は新聞のニュース見て書いたかと思われるのが癪なんですが、それはアメリカ人の消費性向というか、消費に対する考え方は変わりっこないんですから。
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